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やらなきゃ、と思っています。頭ではわかっている。それなのに、体が動かない。ソファから立てない。そんな日が、誰にでもあります。
「家事 やる気 出ない」で調べると、こう出てきます。まずは5分だけやってみよう、終わったらご褒美を、好きな音楽をかけて。
どれも、「やる気を出す方法」です。でも、やる気というのは、出そうと思って出るものでしょうか。出ないから、困っているのではないでしょうか。
この記事は、逆の方向で書きます。やる気を当てにするのを、やめます。
やる気が出ないのは、あなたのせいではない
最初に、大前提を1つだけ。
やる気が出ないのは、あなたの意志が弱いからではありません。
やる気は、そもそも不安定なものです。天気のように、日によって変わります。晴れる日もあれば、どんよりする日もある。コントロールできません。
その不安定なものの上に、毎日の家事を乗せています。だから、土台が揺れた日には、家事も動かなくなる。当然のことです。問題は、あなたではなく、やる気に頼るという設計のほうにあります。
(ただし、強い落ち込みや疲れが何日も続くようなら、それは家事の工夫でどうにかする話ではありません。無理をせず休んで、必要なら専門家に相談してください。ここから先は、あくまで「元気はあるのに、なんとなく動けない」日のための話です。)
だから、この記事のゴールは「やる気を出す」ことではありません。やる気が無くても、手が動く状態を作ることです。
体が動かないのは、タスクが「大きすぎる」から
やる気が出ないとき、頭の中には、たいていこんな言葉が浮かんでいます。「掃除しなきゃ」「片付けなきゃ」。
この言葉が、大きすぎます。
「掃除」というのは、何を、どこから、どこまでやるのかが決まっていない、巨大なかたまりです。脳は、ゴールの見えない大きな作業を、本能的に避けようとします。だから、動けない。サボっているのではなく、脳がブレーキを踏んでいます。
対策は、シンプルです。判断のいらないサイズまで、行動を割ること。
「掃除する」は、大きい。どこから手をつけて、どこで終わるのか、決めるだけで疲れます。
そうではなく、こう考えます。「皿を、1枚だけ洗う」。
これなら、判断がいりません。1枚洗えばいい。それだけです。手が、勝手に動きます。やる気を出す必要が、そもそもなくなります。
同じ割り方は、どの家事にも使えます。「洗濯をする」ではなく「洗濯機のスイッチを押す」。「部屋を片付ける」ではなく「テーブルの上の物を1つだけ元に戻す」。「料理をする」ではなく「冷蔵庫を開けて、使う野菜を1つ出す」。
ポイントは、割った先の一歩が、考えなくてもできるほど小さいことです。「洗い物を全部やる」は判断が要りますが、「1枚洗う」は要りません。ここで、「小さすぎて意味がないのでは」と思うかもしれません。でも、意味があるのは、その一歩が次の一歩を呼ぶからです。1枚が2枚を呼び、2枚が全部を呼ぶ。最初の1枚の役割は、洗うことではなく、動き出すことです。
やる気は、始めたあとに出る
ここが、いちばん誤解されているところです。
多くの人は、やる気が出てから始めようとして、待っています。テレビを見ながら、スマホを触りながら、やる気が湧いてくるのを待つ。でも、待っていても、まず湧きません。
順番が、逆なのです。
始めると、やる気が後から出てきます。
皿を1枚洗ったら、ついでにもう1枚。そのまま、全部洗ってしまった。あの経験は、誰にでもあるはずです。手を動かしているうちに、脳が乗ってきます。
だとすれば、必要なのは「やる気を出すこと」ではありません。「とりあえず始める仕掛け」だけです。一歩目さえ踏めれば、二歩目からは、やる気のほうが連れて行ってくれます。狙うのは、一歩目だけでいいのです。
頑張らない家事とは、頑張りを前提にしない設計
「頑張らない家事」を、手を抜くことだと思っていませんか。少し違います。
頑張らないとは、頑張りを前提にしない、ということです。
頑張って続ける仕組みは、頑張れない日に、必ず崩れます。だから、最初から、頑張らなくても回る形にしておきます。方向は、3つあります。
トリガーを決める(いつやるかを、考えない)
「気が向いたらやろう」では、永遠にやりません。気は、向かないからです。
そこで、すでに毎日やっている行動に、くっつけます。
たとえば、歯を磨いたら、そのついでに洗面台をひと拭きする。お湯を沸かしている間に、シンクをさっと流す。どちらも、単独では腰が重い家事を、必ず毎日やる行動の後ろにつなげています。
こうすると、やるかどうかを、いちいち判断しなくて済みます。引き金を決めておけば、判断が消えます。 そして、判断が消えると、やる気も要らなくなります。歯を磨くのに、やる気は出しませんよね。それと同じ状態に、家事を持っていきます。
コツは、すでに絶対にやっている行動を引き金に選ぶことです。歯磨き、トイレ、入浴、コーヒーを淹れる。これらは、やる気がゼロの日でも必ずやります。そこに家事を1つくくりつけておけば、家事のほうも、やる気と無関係に実行されます。
ついで化する(単独の家事を、なくす)
単独でやろうとすると腰が重い家事も、何かの「ついで」なら、動けます。
お風呂に入ったついでに、床を軽くこする。トイレに行ったついでに、便器をひと拭き。
家事を、単独のイベントから、別の行動の付属品に格下げするわけです。付属品には、気合いが要りません。ついでだから、やれてしまう。
ハードルを、物理的に下げる
やる気が出ない家事は、たいてい、始めるまでの手間が多いものです。
掃除機を出す。洗剤を探す。道具を準備する。この準備の段階で、やる気が削られています。本番の前に、消耗しているわけです。
だから、道具を、使う場所に出しっぱなしにします。 しまわない。手を伸ばせば届くところに道具があると、「やろうか」と考えるより先に、手が動きます。どこに何を置くかは、家事動線の考え方とつながっています。
こうして作った仕掛けが、それでも続かなくなるときの立て直し方は、家事ルーティンが続かないときの考え方の記事にまとめています。気合で続けようとしない、という点は同じです。
ハードルを下げる考え方は、掃除以外にも移せます。たとえば郵便物は、開ける場所のそばにゴミ箱が無いというだけで山になります。手が止まる場所を先に潰す手順は、郵便物を放置しない仕組みにまとめています。
それでも動けない日は、動かなくていい
ここまでの仕掛けを作っても、どうしても動けない日は、あります。
そういう日は、動かなくて大丈夫です。 1日休んだくらいで、家は壊れません。
大事なのは、休むことに罪悪感を持たないこと。やる気は、充電が切れることがあります。切れたら、充電する時間が要る。それだけのことです。
そして、仕掛けを作っておく意味は、ここにもあります。やる気がゼロの日でも、トリガーとついでで、最低限のことは勝手に回っています。 だから、あなたが休んでも、家事が全部止まるわけではありません。頑張りを前提にしない設計は、あなたが休む余白まで、一緒に作ってくれます。
(くり返しになりますが、動けない状態が長く続くようなら、それは家事の話ではないかもしれません。無理をせず、人に頼ってください。)
まとめ|やる気を、仕組みから外す
家事のやる気が出ない対策として、やる気を当てにしない方向で書きました。
- やる気が出ないのは、意志が弱いからではなく、やる気に頼る設計だから
- 体が動かないのは、タスクが大きすぎるから。判断のいらないサイズまで割る
- やる気は、始めたあとに出る。必要なのは「始める仕掛け」だけ
- 頑張らない家事とは、頑張りを前提にしない設計。トリガー、ついで化、ハードルを下げる
まず、いちばん腰が重い家事を1つ選んで、「皿を1枚」くらいのサイズに割ってみてください。 やる気は、そのあと、勝手についてきます。
そもそもやる気を必要としない状態を先に作る話は家事をしない仕組みづくりの記事、「終わらない感じ」がつらいときは家事が終わらない対処法の記事、家事全体を軽くする順番は家事を楽にする4ステップの記事をどうぞ。


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