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毎日、家事をやっています。それなのに、いつまでも終わった気がしない。片付けても、また散らかる。洗っても、また汚れる。
「家事が終わらない 対処法」で調べると、手を抜こう、時短家電を使おう、優先順位をつけよう、と出てきます。どれも「速くやる」ための方法です。
でも、速くやっても、終わった気にはなりません。おそらく、問題はそこではないからです。
家事は、終わらないのではありません。終わりが、決まっていないのです。
家事には、「終わり」がない
仕事のことを、少し思い出してみてください。
書類を提出したら、その仕事は終わりです。商品を納品したら、終わり。終わりの合図があるから、区切りがつきます。 終わった、と感じられます。
家事には、それがありません。
皿を洗い終えても、次の食事で、また皿が出ます。床を拭いても、しばらくすればまた汚れる。今日の洗濯を終えても、明日にはまた洗濯物がたまっています。
ゴールに着いた瞬間、スタート地点に戻されている。 これでは、いつまで経っても「終わった」はやって来ません。
つまり、「終わらない」と感じるのは、あなたの動きが遅いからでも、要領が悪いからでもありません。そもそも、終わりが定義されていない作業をしているからです。ゴールのないマラソンを走らされているようなものです。苦しいのは、当たり前です。
(もし、単純に量が多すぎて回らないのだとしたら、それは別の問題です。その場合は、終わりを決める前に、まず量を減らす必要があります。その話は後で触れます。)
だから、終わりを自分で決める
終わりがないのなら、作ればいいわけです。
ここで大事なのは、時間でも量でもなく、「状態」で終わりを決めることです。
たとえば、こう決めてしまいがちです。「1時間やったら終わり」。でも、1時間で片付くとは限りません。中途半端なところで時間が来て、やっぱり終わった気がしません。
「全部やったら終わり」も、うまくいきません。全部は、永遠に来ないからです。
そうではなく、こう決めます。
シンクが空になったら、今日の洗い物は終わり。
状態で決めると、達成できたかどうかが、一目でわかります。 シンクが空か、そうでないか。そこに曖昧さはありません。
それぞれの家事に、状態のゴールを1つずつ決めておきます。
- 洗い物なら、シンクが空になったら終わり
- 洗濯なら、カゴが空になったら終わり
- リビングなら、床に物がない状態になったら終わり
そして、その状態になったら、今日はそれ以上やらない。 その後にまた汚れても、それは今日の家事ではありません。明日の分です。ここで線を引けると、際限なく続いていた家事に、初めて区切りが生まれます。
「終わった感」を、物理的に作る
状態のゴールを決めても、まだ少し足りません。「終わった」という実感が要ります。
仕事なら、パソコンを閉じる、席を立つ、オフィスを出る、という区切りの動作があります。体が「ここで終わり」を覚えます。家事には、それがありません。だから、自分で区切りの動作を作ります。
たとえば、こんな動作です。
- 洗い物を終えたら、シンクのまわりを拭いて、ふきんをかける
- 使った道具を、全部しまう
- エプロンを外す、手元の照明を落とす
これらは、掃除のためではありません。脳に「ここで区切りです」と伝えるための動作です。
同じ場所が、「作業中」から「片付いた」に見た目で変わると、人はそこで終わりを認識できます。出しっぱなしの道具が1つでも残っていると、脳は「まだ途中だ」と感じ続けます。だから、終わりの合図として、いったん場をリセットするわけです。
終わったら、その場から離れる
終わりを決めて、区切りの動作もした。それでも、家事が終わらない人には、もう1つ癖があります。
終わったのに、また始めてしまうのです。
リビングでひと息ついていると、ふと、テーブルの隅の汚れが目に入る。棚のホコリが気になる。そして、つい立ち上がって、また拭き始めてしまう。せっかく引いた終わりの線が、これで無効になります。
ここで知っておいてほしいことがあります。その「気になる」は、家事が終わっていないから起きるのではありません。目に入るから起きています。
同じ汚れでも、見えていなければ、気になりません。つまり、終わりを守るコツは、意志で我慢することではなく、視界から外すことです。
だから、終わりの動作をしたら、意識的にその場から離れてください。 別の部屋へ行く、座って休む、まったく違うことをする。汚れが視界に入らなければ、手を出す衝動そのものが起きません。
これは、怠けているのではありません。自分で決めた終わりを、守るための行動です。終わったのに休めない人は、たいてい、終わった場所に居続けています。
掃除と片付けは、「完了」しない
もう1つ、根っこにある話をします。
家事には、実は2種類あります。完了する家事と、維持する家事です。
完了する家事は、やれば終わります。今日の料理を作る、今日の洗濯を干す。これらには、ちゃんと終わりがあります。
問題は、もう一方です。掃除、片付け、整理整頓。これらは、完了しません。
部屋は、きれいにした瞬間から、また散らかり始めます。ホコリは、拭いた先から積もります。維持というのは、終わらせるものではなく、ある状態をキープし続けることだからです。
ここに「完了」を求めると、永遠に終わりません。維持する家事に、「完璧」という到達点はないのです。
だとすれば、維持は及第点でいい、ということになります。毎日80点をキープし続けるほうが、100点を目指して数日で息切れするより、ずっと長く続きます。
そして、これは捉え方の問題でもあります。同じ部屋を見て、「今日も完璧にはできなかった」と思うか、「今日も及第点は保てた」と思うか。やっていることは同じなのに、後者のほうが、終わらなさのつらさは軽くなります。 維持し続けられている、という事実は、それ自体が十分な成果です。
そして、完了する家事と維持する家事は、置く時間帯を分けると、区切りがさらにつけやすくなります。どれを朝に回し、どれを夜に回すかの振り分け方は、家事を朝と夜で振り分ける考え方の記事で整理しています。
それでも終わらないなら、量が多すぎる
ここまでは、「終わりの認識」を変える話でした。
ただ、認識を変えても、どうしても物理的に回らない、ということもあります。その場合は、別の問題です。
単純に、家事の総量が多すぎます。
そのときは、終わりを決めるより先に、やること自体を減らす段階に戻ってください。何をやめて、何を減らして、何を仕組みにするか。総量そのものを軽くする方法は、家事を楽にする4ステップの記事と家事をしない仕組みづくりの記事にまとめています。
終わりを定義するのは、適量まで減らしたあとに、いちばんよく効く方法です。順番としては、減らすのが先です。
まとめ|終わらせるのではなく、終わりを決める
家事が終わらない対処法として、「終わらない」の正体から書きました。
- 終わらないのは、遅いからではなく、終わりが定義されていないから。家事にはゴールがない
- だから、状態で終わりを決める。シンクが空、カゴが空。時間でも量でもなく、状態
- そして、終わりの儀式で「終わった感」を作る。道具をしまう、拭く、場をリセットする
- 掃除や片付けは、維持する家事。完了しない。だから及第点でいい
まず今日、1つの家事に「この状態になったら終わり」を決めてみてください。終わりが見えるだけで、家事は驚くほど軽くなります。ゴールのないマラソンに、ゴールテープを引くようなものです。
なお、終わりを決めても手が動かない日の話は、また別の問題です。そちらはやる気が出ない対策の記事で扱っています。1日の中の段取りの組み方は家事の段取り術の記事をどうぞ。


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